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色彩の下

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2008年 01月 30日 ( 1 )


2008年 01月 30日

NOW

昨年参加した神山アーティストインレジデンスで一緒に制作した作家Vaughnから郵便物が届いた。
中身はモーリス・ルイスのカタログ。
彼女とは沢山作品や制作について話をしたので、その際出てきた沢山の作家の中にあった名前の一つがルイスである。
なるほどモーリス・ルイスはアメリカの抽象表現主義の作家で、Vaughnはアメリカ人だった。
とても美しい画集で、嬉しかった。

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モーリス・ルイスの描く絵画はカラーフィールド・ペインティングと呼ばれる。(この分別って必ずしも良くは無いのだけれど、便宜的に使用。便利なことは確かだし。)

カラーフィールド・ペインティング(Color Field, Colorfield painting)は1950年代末から1960年代にかけてのアメリカ合衆国を中心とした抽象絵画の一動向。絵の中に線・形・幾何学的な構成など、何が描かれているか分かるような絵柄を描いたりはせず、キャンバス全体を色数の少ない大きな色彩の面で塗りこめるという特徴があった。その作品の多くは巨大なキャンバスを使っており、キャンバスの前の観客は身体全体を一面の色彩に包み込まれることになる。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

モーリス・ルイスの画像を沢山観ると気付くことが、このWikipediaの説明に端的に表されているのだが、『キャンバスの前の観客は身体全体を一面の色彩に包み込まれることになる。』とあるようにキャンバスの色に包まれると理解されている。
カラーフィールド→色面による場としながら、色面の外。絵画の前。絵画の在る空間に触れていない。
この作品を描いた作家が、自身の作品の産む効果について気付いていないはずは無いのだが、その効果について言語がまだ付随していなかった感がある。
その証拠に、ルイスの作品画像を探すと作品を展示状態で撮影した写真がほとんど無い。
絵画の外を意識していて、それならば当然展示空間込みの撮影をしているはずだ。
ルイスの没年が1962年(50歳)。
絵画が「絵画の外」を獲得したのはそれ以降なのかも。
もしくは絵画の外の意識が今よりも意識的では無かった事は確かかな?
疑問符がつくのは、バーネット・ニューマン(1970年没・65歳)は結構作品の外部を含めた写真を残している。ただ、正面からの物が多く、また展示壁の角まで撮影されている物があまり無いようなのでどこまで明確な意識なのかは微妙。

対して、画面内の視覚的な効果を意識しているオプ・アート。
その現在主導的な作家、ブリジット・ライリー(1931- )は現在も健在の作家なので、画面内の効果を見せる制作をしながらも、画面内の効果を得るための場所。絵画によって生まれる空間に意識的な展示やそれに付随した撮影が多くある。
よって、現在絵画が恒常的に「絵画の外」を獲得していることが意識される。

by uchiumiinfo | 2008-01-30 23:59