資生堂アートエッグについて触れられる事があるかもしれないので書きます。
この公募の視点が珍しいのは、空間で作品を見せる事を標榜している点だ。
意外とこの視点を持つ公募は少なく、例えば多くのインスタレーション作家も入選している公募も門戸を開いているにとどまる。
門戸を開いて評価をしても、入選者展になるとスペースの関係からブースに区切る、又絵画は壁を与えるにとどまる。
平面系の公募になると、壁があれば作品が並べられるという意識を脱しない。
そんな中、時間的にも空間的にも負担を強いる入選者三名、三ヶ月にも及ぶ公募を始動させた事は大変素晴らしいと思う。
作品が空間を獲得したのはかなり昔の話だが、それを体系化した事で、選者、作家双方がお互いの責任を全うすれば、高い成果を残す可能性がある。
絵画も立体も空間で観られるよい機会となるだろう。
資生堂はADSPというカタログ助成もしていたが、これも若い作家のまとまった記録を残す、また記録する意識の底上げに一役かったと思う。
他社でも良いから継続する価値があるシステムだと思う。
個人ではどうしても造れない流れってあるので、企業が高い意識を持つことは幸福だ。