桑原盛行さんのカタログを見ていて「ココが実制作者だ」と思った所。
桑原さんは《点の群れ》という作品の制作の流れを
構造の設定→点を円に置換→技法の練磨→直観力の醸成→循環的試作づくり
としている。
上記の中で、「技法の練磨→直感力の醸成→循環的試作づくり」の部分がすごく納得する。
桑原さんは作品をいくつかのシリーズに分け、各シリーズを数年間描いている。
その数年間描くことで技法は練磨され、その制作し続けた眼と手によって新しい感覚や色などの不意な手がかりに反応してゆき、また次の作品へ移行して行くのだろう。
思いつきで終始するのでは無く、思考と試作とそれに伴う技術向上を常に己に課すことで作品は出来るのだと桑原さんの作品を観ると実感できる。