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色彩の下

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2011年 08月 31日

現代絵画とクリリン

鳥山明のマンガ/ドラゴンボールにクリリンというキャラクターがいる。
物語の初期から登場し、主人公の孫悟空と共に成長をするキャラクターで、重要な存在だ。
物語を通じて常に主人公孫悟空に寄り添い、ファンタジーの中に現実的な設定を盛り込む。
初期には一緒に修行をし、悟空の強さを強調する為の基準として比較される事や、悟空の無垢さと対比して人間くさいズルさや弱さを持ったキャラである事で、読者は悟空の目線で物語を読むだけはなく、クリリンの目線で物語を読む場面も度々あるというような愛されるキャラだ。
悟空の突き抜けた行動をクリリンは人間の目線で見守る。この事で、状況の解説や強さの指針としてのモノサシ的な役割、読者との架け橋的な役割を担ってきた。
後半になり、物語の中の敵がインフレして強大になるにつれて、悟空もどんどん強くなった。
最終的には主要なキャラクターはほとんど人間ではなく宇宙人であったという状況になっても、クリリンはその異常なインフレを取り込みながらあくまで人間であるという立ち位置に留まり、人間の中の最高峰の強さをもった者として描かれる。
突飛な強さの中でも等身大の目線が必要で、でもあまりに弱すぎるとその場にもいられないので、飛べる(舞空術)や気を飛ばす(かめはめ波)などができながらもクリリンは読者と同じ人間であった。

現在の美術のなかで、絵画はクリリンと同じような立ち位置にたたされていないだろうか?
舞台を語るためには必要なキャラで、変化する環境に応じて強くならねばならなくて、でも人間(美術)であることからは強く逸脱できなくて。。という推論。
とても好きなキャラだし、良い役だと思うけどね。
現代絵画とクリリン_f0082794_5082.jpg

同じような作業をしているようで、その絵によって微妙にテクニックが違うんだなぁ…

by uchiumiinfo | 2011-08-31 23:59


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