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色彩の下

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2011年 06月 18日

ふわ〜

以前、千原Jr.がWコロンのねづっちの「整いました!」というフレーズが流行語大賞を受賞したことについて話していた。
ねづっちの発見は、「整いました!」と言ってお題のなぞかけを答える事ではなく、答えとして「上手い事」を言った後に「ねづっちです!」と大声で自分の名前を呼ぶ事で、場の空気を締めて笑いやすくした事にあると言っていた。

お題に対して、「〜と掛けまして〜と解く」という芸は古くからある言葉遊びだが、この形式はイマイチ「笑う」事が難しい。
理解する為に1テンポ遅れたり、そのなぞかけ自体が、「笑える。面白い。」よりも「関心」や「納得」のような位置に入ってしまう。
そこで、「お〜。」とも「ふ〜ん。」ともつかないふわ〜っとした空気対し、ジャケットの襟を掴んで「ねづっちです!」と自信ありげに声を張る事で、ここで笑う所だという分りやすいメッセージとなり、笑う為のハードルや緊張をほぐす事になる。
そのふわ〜に気づいてそれを締める事が発見だということだ。

漫談芸や落語のまくらなどでは、「ここで笑わないとこの後笑う所ありませんよ」というセリフがある。
これなどは、高座を見るという緊張した雰囲気や、真剣に笑いどころを探ろうとして逆に緊張感を持ってしまった観客の固い心をほぐす役割があると思われる。

美術ではむしろこの「ふわ〜」を造りだそうという感覚がある。
ホワイトキューブでは何かがそこにあるだけである程度カッチリ決まってしまうという感覚があるからだろうか。
日常からくる些細な感覚を見せる時に、大仰なかたちではなく、まさに日常にありふれたふわ〜っとした感覚の中で見せられるよう注意を払っている様にも見える。
ふわ〜_f0082794_1421862.jpg

「先がある気がする」というのがとても勇気になる。

by uchiumiinfo | 2011-06-18 23:59


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