人気ブログランキング | 話題のタグを見る

色彩の下

uchiuminfo.exblog.jp
ブログトップ
2011年 02月 18日

抹茶と美術

大河ドラマの上野ジュリが信長と共に千利休のたてた抹茶を飲み、美味しいと言っていた。
上野ジュリの役はそのとき6〜7歳なので、小学1、2年生である。
僕が小学生の頃には、抹茶はニガくてマズいものだった。
実際にそうだったのではなく、その当時見ていたTVでは抹茶を飲むシーンでは「マズい」という表現をしていたと思う。
のび太はタイムマシンで江戸時代に行き、飲んだ抹茶に対しニガい(まずい)というような表現をしていたと思うし、落語では町人が抹茶を飲むとニガい(まずい)というニュアンスで語られていたと思う。
僕が小学生初期の頃は世の中に今ほど抹茶味というものは浸透していなかった。
いまでこそお菓子の定番として間違いないラインナップだが、当時は抹茶を確認する術が無かった。
少し考えると、それほどマズいものが社会に浸透するわけではないので、ある程度うまいものである事は自明なのだが、ビールやワサビが年を得て味がわかるように、抹茶はうまくいえないが年齢と共に地位があがったら味がわかるもの、庶民の口には入らないものと漠然と認識していた。
そんな風に考えていたことも忘れて久しくしての上野ジュリなのだが、地位は申し分ないとして、幼い子供が抹茶を美味しいと表現する事に不意に違和感を覚えた。
いつの間にか抹茶の味は庶民でも子供でも美味しいと感じる事がスタンダードになったらしい。
抹茶のケーキやチョコがあふれる現在では、抹茶がマズいと感じる感覚は塗り変えられてしまったようだ。
コーヒーは抹茶よりも前に市民権を得たかな?
でも、さすがに子供にはニガいというニュアンスをあたえるかな。。
似たように、子供や庶民にはわからないというようなニュアンスで語られるものが美術である。
殿様やご隠居が自慢する骨董や美術を熊さん八っさんは「ワカラねぇ」と一括する。
この感覚はいまでも十分通用するようで、「自分は美術はわからない」と発言することは全く恥ずかしくない庶民感覚だと感じる。
でも、江戸から脈々と続いた抹茶の感覚は覆ったので、美術感覚も覆る事はあるかもね。
抹茶と美術_f0082794_4252579.jpg

ミックスジャム22を見に行く。
小林達也氏の作品が良かった。

by uchiumiinfo | 2011-02-18 23:59


<< ナチュロ      り >>