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色彩の下

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2010年 04月 09日

巧術後述コウジュチュウ

スパイラルの展覧会「巧術」が終了いたしました。
以下ブログ等での感想を添付いたします。
自分も書いたという方はご連絡下さい。

巧さ、特に「技巧」とは、辞書では「芸術の制作や表現における技術的な工夫」とあります。
芸術に特化した言葉、感覚だそうです。

例えば芸事(落語とか)では巧いことが必ずしも評価の対象にはなりません。
「巧いけど面白くない」といった言葉は、技術に関して文化的な審美眼を持つ日本人には、とても分かりやすく伝わる感覚ではないでしょうか?
巧さには「嫌味」とか「疎外感」といったような印象も同時に鑑賞者に与える事があるようです。

巧さという冠が着く表現者はかなりの確率でその表現の中では「若い」または「壮年期」に多いようです。
その表現ジャンルによって若さの位置は変わりますが、絵画や彫刻では50代までは若いと表現する事がありますし、落語でも4・50代、陶芸や都都逸、短歌などではもっと先まで若手といわれてしまうかもしれません。(ちょっと調べきれていないので、訂正受付いたします。)

名人上手と言われる方は、巧いといわれる時期を越えて名人となります。
その超え方を、「カドがとれて丸くなった」とか、「艶が出た」とか、色々な言い方をしますが、技術を得る時期と、その技術を磨く時期と、その技術を見せなくする時期とにはどうしてもタイムラグがうまれ、また、その順番は一様にしかなり得ないのだと思います。(技術を磨いてから技術を得るという事にはならない。)

巧さを否定するかのように見える言葉も多く存在します。「巧くあってはならない」とか。
これは、巧さの手前に表現の頂きがあるという意味ではなく、巧さの先に頂きがあるので、巧さで満足せずにさらに先の地平へ押し上げろという事ではないでしょうか?

「巧術」に出品した作家はまさに若手・壮年期の作家であり、今後の制作如何によっては現在の作品の持つ色味も変わってくるのではないかと思います。

「巧術」を立ち上げたレントゲンヴェルケの池内氏に内容について直接聞いたことはほとんど無いのですが、巧術というコンセプトには何か進化する段階のようなものを感じたので、このような感想を持ちました。
ピカチュウがライチュウになるように進化するかもしれません。
巧術後述コウジュチュウ_f0082794_1033946.jpg

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by uchiumiinfo | 2010-04-09 23:59


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