与えられた条件でやりなさいと言うが、作家は美意識をより所に制作をしている。
自分だけ悦に入っても虚しいし、気に入らない作品が評価されても虚しい。
困難な条件がより高次に上がることがあることは重々承知で、美意識を保てない要件が揃っていたらそれは受け入れられない。
作家は常に自分の名前と作品とを全面に出してゆかねばならないから、どんな展示でも本気で取り組んでいる。
それは例え依頼者が、「軽い気持ちで」とか「サクサクッと」というように思っていてもなんら変わることはない。
楽をしたいとか、手を抜きたいとか、ワガママを通したいとかではなく、自分もより良くするために困難な道を歩むので、あなたも人の渾身の振る舞いを無碍にしないよう献身してもらわないと、いつか作家は濁ってしまうということ。
それは自身が招いた文化損失であり、自分の首を絞めることになる。
僕自身にも言えること。